2017(平成29)年6月11日に開催された「府中マルシェ」は、けやき並木の下で開かれる心地よいロケーションが魅力のマルシェです。
通りを挟んだ「大國魂神社」の参道では、流鏑馬も予定されていた今回。“食べる”“買う”だけでなく、“観る”も楽しめる魅力満載の「府中マルシェ」をレポートします!
まずは「府中マルシェ」を主催している「むさし府中商工会議所」の地域環境委員会の委員長、そして「府中市商店街連合会」で会長を務める郭 東仁さんにお話を伺いました。
「府中マルシェ」の歴史を聞かせてください。
会長
「府中マルシェ」は、府中市の市制施行60周年記念事業として4年前にスタートしました。その翌年から商工会議所が主体となり、今日まで続いています。回を重ねるごとに来場者数が増えているので、主催する側としても大変嬉しく思っています。
各地で開催されているマルシェですが、“府中“ならではの特徴というのは?
会長
けやき並木の下で開かれるこのロケーションですね。起源は平安時代と言われるけやき並木は、府中市の誇るべき財産であると同時に、「府中マルシェ」に欠かせない存在です。
「府中マルシェ」が開かれる府中市の魅力とは?
会長
豊かな歴史・文化があるのはもちろんですが、公共施設が充実していることも魅力のひとつです。ただ、府中市はPRが上手くないものですから(笑)、見合った評価を得ていない気もします。府中市に暮らせば、すぐにでもその良さを実感していただけると思いますよ。
まだマルシェに来たことがない方にメッセージをいただけますか?
会長
「府中マルシェ」は、市場(マルシェ)以外にもいろいろなイベントが開催されるんです。買い物したり、食べ歩きしたり、イベントを見て楽しんだり、一日中ここで楽しむことができますから、是非気軽に遊びに来てほしいですね。
 郭会長のお話を聞き終え、いよいよマルシェを歩いてみます!“マルシェ”は、市場という意味のフランス語。そのマルシェを冠する「府中マルシェ」では、パンや野菜などの食品、キッチンカー、雑貨など、多彩なお店が並びます。
 ジャンルも様々で、例えばキッチンカーではケーキ、ケバブ、ロコモコ…といった具合。歩けば歩くほど、お腹が膨れていきそうです。煮込み料理のお店からはいい匂いが漂ってきて、ついつい立ち寄ってしまいました!
 「府中マルシェ」は、食べ物だけでなく雑貨を販売している店舗もたくさんありました。こうした変化に富んだラインナップも、歩くだけで楽しい気持ちになる理由のひとつです。
 出展者と気軽に話ができてしまう雰囲気は、こうしたイベントならではのものですね。
 また、生ライブなどのステージや、鎧兜試着体験・武者との記念撮影会、居合抜刀武術演武などもありました。「一日中楽しめる」という会長の言葉に思わず納得です。
 さらに、会場には地元のゆるキャラが大集合。府中市商店街連合会の「フーちゃん」、府中市の「ふちゅこま」、府中観光協会「古都見ちゃん」が毎回マルシェを賑わせてくれます。
 一緒に写真を撮ったり、楽しそうに過ごす子どもたちの姿もたくさん見かけられました。
 出店ブースがずらりと並び来場者の多いイベントでしたが、それでもどこかゆったりとした気持ちで過ごすことができました。人とぶつからない通りの広さや、休日ならではの開放的な雰囲気。
 そして、美しいけやき並木があることで生まれている空気感なのでしょうね。    
 最後に「大國魂神社」の参道に移動して、今回の目玉イベントである流鏑馬を見物することにしました。とても人気のためなかなか場所が見つからず、遠くからの眺めとなってしまいましたが、それでも馬が駆け出すときの優雅な間合いと、古式を伝える射手の衣装が確認できて、非日常の体験ができ大興奮。
 ついつい時間を忘れてしまうほど、見所満載の「府中マルシェ」でした。
歴史香る街並みにゆったりと時を刻む「蔵カフェ」
「蔵カフェ」は、「府中」駅の南、武蔵国の総社である「大國魂神社」のほど近くにある人気カフェ。
創業1860(安政6)年という老舗造り酒屋の蔵を改装した店内では、大きな梁と太い柱が静かに時を刻み、まるでタイムスリップしたようなレトロな空気がほっと心を和ませてくれます。
この店でオーナーを務めるのは、石塚栄子さん。この人に会いにくるリピーターもきっと多いはず、そう思わせるような人を包み込むような温かい笑顔が印象的なオーナーです。
府中を愛してやまない石塚さんに、カフェや地域の魅力についてお話を伺いました。
造り酒屋の酒粕を使ったオリジナルのラテが人気
建物が7代続く老舗造り酒屋・野口酒造店の蔵だそうですね。
そうなんです。ここは「蔵カフェ」になる前、お隣の野口酒造が酒蔵を改装して作った喫茶店で、私はそのお店で働いていました。10年程働いて「どこかに自分のお店を持ちたいな」と思うようになった矢先、いろいろなご縁でここをお借りできることになり、お店をオープンするという念願が叶った次第です。「蔵カフェ」としてリニューアルオープンして、今年でちょうど3年目になります。
人気のメニューやおすすめを教えてください。
 最近当店の看板メニューになりつつあるのが、野口酒造の地酒「国府鶴」の酒粕を使った「酒粕ラテ」です。せっかく酒造の蔵を使用しているので、酒粕のメニューを出したいと考えて作ったオリジナルレシピで、酒粕にミルクとハチミツを加えています。体に良い発酵食品を使用しているのが人気の理由でもあると思うのですが、他のお店にはないということもあって、みなさん“一度は飲んでみよう”と思ってくださるようです。最近はお野菜たっぷりの手づくりランチも始めて、女性客を中心に好評です。当店はケーキも全部手づくりなので、そちらも人気がありますね。
思わず入りたくなるような素敵な雰囲気ですが、空間づくりへのこだわりはありますか。
実は特にこだわりはないんですよ。オープン当初、蔵の中をどんな風にしたらいいのかわからなかったので、とりあえず、私の家にあったアンティークのカントリー家具を置いてみたら合うかなと思って。昔から少しずつ集めてきたもので、ウインドウや壁、棚のあたりに置いてある家具は全部そうです。
ゆったりと寛げる語らいの場であり続けたい
お客様はどのような方が多いですか。
女性の割合が多いですね。お友達や職場の方と利用されていて、特にランチは圧倒的に女性のお客様です。昔はお客様の年齢層が高かったんですが、嬉しいことに、最近は20代、30代といった若い方も来てくださるようになりました。それと、近くにある「府中市役所」や「府中市合同庁舎」にお勤めの方たちが常連さんになってくださって。毎日お店が賑わい、本当にありがたいです。
2階のスペースでイベントを開いているそうですが。
2階は30人弱が入るスペースになっていて、第3火曜日にジャズコンサートを、またギターのライブも開いています。建物に音響効果はありませんが、蔵の作りの影響で結構音色がよく響きますよ。ワンドリンク付きで、カフェメニューも注文していただけます。酒屋さんによる利き酒の会もあります。そのほか、陶芸展や書道展など、ギャラリーとしても貸出ししています。
今後、「蔵カフェ」はどのようなお店でありたいですか。
お客様にゆっくりした時間を過ごして寛いでほしいし、たくさんお話をする場であってほしいですね。カウンター席があり、そこで私はお客様のお話を聴く立場なのですが、私が聴くことで少しでもお客様の気持ちが楽になったり、頑張ろうと思ってくださったら嬉しい。カウンターに座られたお客様同士がお友達になることもあって、ここでいい関係を作られているなと思います。大手のチェーン店はたくさんありますが、個人がカフェを運営していくにはなかなか厳しいのが現状。だからこそ、「蔵カフェ」はこのまま変わらず、ずっと長く続けられたらなと思っています。
神聖な社に守られた花火の音が聞こえる街
府中の街のお気に入りスポットを教えてください。
やはり、街のシンボルでもある「大國魂神社」ですね。毎月1日はできるだけお参りすることにしています。大変歴史がある神社ですし、行っただけで気持ちがすっとする感じがします。やはりパワースポットだからでしょうか。武蔵の国を守ってくださっていると思いますよ。
最後に、府中の魅力についてお聞かせください。
緑が多く、毎月のように「大國魂神社」のお祭りがあるので、本当に花火がよく鳴る街です。7月は「すもも祭り」がありますし、8月は「八朔相撲祭り」、9月は「くり祭り」、11月になると「酉の日」で、そしたらすぐに暮れです。どのお祭りも盛り上がりますし、この街へ来て本当に良かったなと思っています。そういえば、ちょうど店の前にあるのが御旅所(神霊の渡御のとき、神霊を仮に安置するところ)で、「くらやみ祭り」の時は8基のお神輿が一泊される場所なんです。「蔵カフェ」に座って向こう側を見たら、いつもとはちょっと違う、いい景色が目に映るんではないでしょうか。
  • オーナー 石塚 栄子 さん
    蔵カフェ
    蔵の建物で営業している「蔵カフェ」(徒歩7分/約550m)
    ●所在地:府中市宮西町4-2-1●TEL:080-9170-3954●営業時間:10:30~18:00